自転車。
「なんで乗れるんですか?」
と聞かれて、答えられる人はまず居ない。
せいぜい、
「練習したから。」
「乗れるようになったから。」
運動経験は言葉に出来ない。
"まっすぐ、まっすぐ"と、
アライメントを意識し続けて乗っている人も、まずいない。
幾度となく繰り返す練習の中で、左右両方向への転倒を経験し、
"どちらにも倒れていない"結果として、外見的にまっすぐを続けられている。
ゴルジロックス効果だ。
倒れそうになった時に気づき、修正が図れればいい。
つまり、
「正しい=まっすぐ」を意識した結果ではなく、
「誤り=転倒や傾倒」を自覚し、修正することが出来るようになったから乗れるようになった。と言える。
動作の上達には、失敗が必要不可欠であるということと、
エラーが起きる時の傾向、を自覚していることが重要。
だいぶ腑に落ち始めた。
それでも人は、誤りを指摘されたり、それが表に出てくると、
それを吟味する前に、是正に力を注いでしまいがち。
「どんな時にそうなる?」
「その時どう感じる?」
という方向へガイドしていく必要がある。
そんな時、
本人への伝え方、言葉選びがとても大事になってくる。
"是正"じゃなくて、"興味"へガイドする言葉掛けとして、
「 ○○な傾向がある」
「 ○○しがち 」という言葉かけが、今は一番しっくりくる。
『 ドア開けっぱなしだよ! 』
と言われると、
「 スイマセン、閉めますから。」
となるけど、
『 疲れてる時とかさ、ドア閉めるの忘れがちよね。 』
と言われた方が、
「 そうかぁ?そういうとこあるかもなぁ。 」
となる。
是正ではなく、傾向へ意識が向くような言葉かけ。
言葉 1つの選び方によっても、だいぶ気分や印象が異なる。
以前も書いたが、
知らずに影響を受け続ける、言葉の力。
この言葉のおかげで、
臨床がより可笑しく楽しく出来はじめた♪
時にはキャラクターにまで影響する。
壇蜜。
壇蜜が、もし壇蜜じゃなかったら、きっと壇蜜じゃないでしょう。